そもそも顎関節症とは
顎関節は上図の上顎骨の関節窩と下顎骨の下顎頭から構成されます。
顎関節症の代表的な症状は,食事中の咀嚼や会話中に「あごが痛む(顎関節痛)」、「口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つで,このうち一つ以上の症状があり,鑑別診断で他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます。
あなたの顎(がく)関節の自己チェック法
(合計点数が8.6以上では顎関節症の危険あり,杉崎正志、他:2007)
- 口を大きく開いたとき,人差し指から薬指を並べた3本指を縦にして入りますか?1.すっと入る 2.ほぼ問題ない 3.どちらともいえない 4.やや困難 5.全く入らない
- 口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?1.全くない 2.たまにある 3.どちらともいえない 4.しばしばある 5.いつもある
- 口を大きく開いたとき,まっすぐに開きますか?1.いつもまっすぐ 2.たまに曲がる 3.どちらともいえない 4.しばしば曲がる 5.いつも曲がる
- 干し肉,するめ,タコなど硬いものを食べるとあごや顔が痛みますか?1.痛まない 2.たまに痛む 3.どちらともいえない 4.しばしば痛む 5.いつも痛む
あるいは設問2の「口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?」に「はい」と回答した方も顎関節症である可能性があります。
また、次のようなことはありませんか?
大きく舌を出してみてください。舌はまっすぐ出ていますか?少しでもカーブしていると、顎関節を支えている筋肉にゆがみがある可能性があります。顔を正面から見たとき、左右の眼のラインと口角のラインがずれていませんか?このようなことも顎関節症である可能性があります。
顎関節症の原因
- 下顎骨(顎の骨)の位置がずれる
- 噛み合せが悪い
- 咀嚼筋(噛む筋肉)のバランスが悪い
- 関節包や靭帯のバランスの悪さ
- 関節円盤がずれている
- 関節が変形している
- 骨盤や背骨など、姿勢や体のゆがみ
- かみしめ、はぎしりなどの異常習癖
上記のように顎関節症は様々なことが原因と言われています。
と、言われても良くわかりませんよね。
実際、当院に来院される患者さんも自分が顎関節症なのかどうかわからず、歯医者に行くべきなのか、整形外科に行くべきなのか、はたまた他に行くべきなのか迷われている方が多いです。
これを考えても患者さんにも非常にわかりにくい病気だと感じます。あまり症状を放置しておくと、顎関節症の症状は体全体に出てきます。
- 肩こり
- 首のこり
- めまい
- 耳鳴り
- 頭痛
- 吐き気
- 不眠症
- 内臓機能低下
- 自律神経失調症、うつ病などへの発展
顎関節症は、気づかないうちに発症して治りにくくなってしまいやすいので早いうちにご相談ください。