インプラントオーバーデンチャーってどういう治療?
インプラントオーバーデンチャーという言葉を聞くのはほとんどの方は初めてだと思いますが、実は基本的な考え方は何年も前からあり入れ歯で困っている患者さんにはお勧めの方法です。私自身何年もこの治療法を行なってきました。
このインプラントオーバーデンチャーとはインプラントの上に(オーバー)乗せる入れ歯(デンチャー)という意味です。と、文字にしても良くわかりませんよね…
一般的には「インプラント」と聞くと、「インプラント」という言葉をご存じの患者さんでも下図のように「チタン製のネジを骨の中に埋め込みそのネジの上に被せ物を乗せて機能させるという治療法」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
インプラントは歯を失い入れ歯が合わない人にもっと美味しく食事をできるようにしてくれる有用な方法です。
ただ、上記の方法はインプラントのネジを入れたい場所の骨がないと新たに増骨(骨を作ること)が必要になり治療が困難になってしまったり、歯をすべて失った患者さんに行なうと本数がどうしても多くなるため治療費が高額になってしまい患者さんに治療を受けることを躊躇させてしまうことがマイナス面でした。
入れ歯は歯茎の上に乗せるものなので食べ物を噛むとどうしても入れ歯の硬い床の部分が歯ぐきに食い込みます。この食い込むことが入れ歯が噛みにくいと感じてしまう原因の一つになってしまいます。無理な力で噛み続けると入れ歯の下の歯茎が傷ついて痛くて使えなくなったり、入れ歯の金具がかかっている歯をダメにしたりするということになってしまいます。
インプラントオーバーデンチャーという選択肢
現在入れ歯を使用中の患者さんで「もう少し美味しく食事したいなぁ…」、「入れ歯を安定させたいなぁ・・・」と思っている方がこのインプラントオーバーデンチャーの方法をもちいることで満足度が大きく上がる可能性は大きいと思います。
この方法の基本的な考え方は、下図の様に入れ歯の下にインプラントのねじを置くことで入れ歯が沈み込むことをインプラントが支えてくれるということになります。
そうすることで、入れ歯に咬み応えが出て美味しく食事がしやすくなります。
加えて、インプラントと入れ歯の連結部に最近よく使用されるようになったロケーターと呼ばれる連結器具(下図参照)をしようすることで従来の磁石タイプなどの連結器具に比べてかなりしっかりと咬むことができるようになります。
インプラントは「チタンのねじを骨の中に入れる」と想像すると怖く感じてしまいます。ですが、きちんと治療計画を立て感染に気をつければ抜歯をするより楽な場合もあります。
怖くてインプラントを見合わせる患者さんがいらっしゃるのですが、怖いだけが理由でインプラントをあきらめてしまうことは少しもったいないかと個人的には思います。
この治療を受けていただき快適な食生活を送ってらっしゃる患者さんはたくさんいらっしゃいます。ご相談だけでもしてみてはいかがですか?御来院をスタッフ一同心からお待ちしております。